Ala Moana Beach

 ハワイのアイコンとして知れるものに、ハイビスカスやパイナップルと並んでダイヤモンド・ヘッドとビーチの構図がある。緩やかな弧を描くビーチの先にそれほど標高はないものの、太平洋を見下ろすようにそびえるクレーターの斜面はハワイのランドマークと言える。今は、ダイヤモンド・ヘッド州立自然記念公園として管理され、登頂路も整備されている人気の観光スポットだ。

 このダイヤモンド・ヘッドという名前、19世紀にイギリスの水夫たちがこの山を登った際、火口付近にあった方解石の結晶をダイヤモンド(金剛石)と間違えたことに由来しているのだが、ハワイの先住民族はこの山を「レアヒ」(Lēʻahi)(まぐろの頭という意味)と呼んでいた。カヌーで漕ぎ出した海から見る山の姿は、マグロの頭に見えたからという説や、「レアヒ=炎の渦巻き」という意味もあり、クレーターの縁に、カヌーの到着地点を示すかがり火を掲げていたことに由来する説などがある。ちなみにハワイ近海では新鮮なマグロが捕れる。

 ところで、地元ハワイで方向を示す際、海側をmakai(マカイ)、山側をmauka(マウカ)、西側をEwaを(エヴァ)と呼び、東側をダイヤモンドヘッドと呼ぶ。日の昇る東方に相応しい輝かしい呼び名ではないか! (海(マカイ)に囲まれた島であるので東西南北の意味ではない)

 登頂路の麓から山頂までの距離約1㎞。この輝かしいマグロの頭からの絶景を楽しんで頂きけたらと思う。


  現地語でまぐろの頭といふ山に金剛石の朝日まぶしき / 紺野万里 

                      『雪とラトビア*蒼のかなたに』                                      

                              (シンタニ優子)                                       サムネイル画像:https://unsplash.com/