水媒花

みんなで綴る短歌ブログ。

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短歌作品

 今年の4月はモッコウバラがずいぶん咲いていた気がする。歌会で次の歌を出してみた。

あの家は木香薔薇がよく咲いた仲良い夫婦が住んでいそうな

 参加者から肯定的な評価もあったが、春日いづみさんは平凡であることを気にされて、「もっとミステリアスにしてみて」とおっしゃった。
 改作して結社誌に投稿して採用されたのが、次の歌。

シルバーカーとベビーカーのある庭の木香薔薇は満開に咲く (『水甕』2018年8月号)

 ミステリアス……まではいかなかったが、人生を連想させる二つのアイテムを置いた。こうなると、私が現実に見たものではなくなる。しかし、どちらが短歌としてはよりマシかは明らかだ。
 いづみさんは時々、全部本当のことを書こうとしなくていい、ちょっと変えることで詩にすることができる、とお話になる。想像力を働かせて、日常を詩的にするのである。

(水甕 重吉知美)



自販機を転がり落ちるゴールドの缶にパイプをくはへた男

缶珈琲の〈微糖〉おそらく微は嘘で私のからだは糖を欲しがる

加藤直美 『水甕』2016年12月号 


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病院の壁を溢れた蔦の葉に呑まれゆく夏の放置自転車
台風の来さうな午後の影ふかき風にいちまいづつ爪を研ぐ

(水甕岡崎支社 木村美和)


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脱ぐたびに膚(はだ)がこぼれる鱗粉がぜんぶとれたら蝶は飛べない
エレベーターのなか目を閉ぢる行き先は押さずに立つたまま少し寝る
                         (水甕岡崎支社 木村美和)


何ひとつ諦めきれていないのかもしれなくて今日も明日も六月         
 

『幻桃』2018年7月号
(幻桃 江口美由紀)

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