水媒花

みんなで綴る短歌ブログ。

このブログで、共に短歌を学び、短歌で遊べたら幸せです。
宜しくお願いします。

《このブログでやりたいこと》
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②学びの共有 ~研究発表、短歌イベント参加レポート、読んだ歌集の感想など~
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短歌作品

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(Photograph by Stephane Granzotto ; National Geographic)


巨岩群のごとく母らは立ち寝するマッコウクジラの海中保育
(『水甕』2019年8月号「マッコウクジラ」より)

 今年の3月にナショナルジオグラフィックの写真を見かけたとき、ヒャッホウゥゥ!!と気分がアガった。地球ってすごい!海ってすごい!!という小学生みたいなため息しか出ない。彼ら(というか彼女たち)の写真の顛末とその生態については、ナショジオの「集団で「立ち寝」をする巨大クジラ、熟睡中?(2017年8月)」をご参照あれ。
 写真は私を遠くに連れて行く。すなわち海の中、山の上、言語の異なる街、宇宙空間などに。この写真を撮った写真家は、プロとしてダイビング器材や撮影機材を駆使し、私たちをマッコウクジラのそばまで連れて来てくれた。こんな素晴らしい体験を短歌にできないかと一ヶ月ぐらい考えて、結社誌に投稿した。採用されて割と嬉しい。

 この頃、日本は「平成」の次の新元号を発表するとかで大騒ぎだった。

新元号に浮かれる土地の外側はマッコウクジラの生きる海原 (同)

(重吉知美)

野分のわきにも倒れなかったというピーマン刻めば猛暑が死にゆく匂い
左様さようなら夏よ胡瓜きゅうりをガリガリ喰い生姜しょうがおろして秋茄子あきなすを焼く
太陽と土の思い出の味がする平飼い卵のぶっかけごはん
考えて書くこと土を耕すこと命を育てて食べていくこと
草叢くさむらの緑のせていく初秋しょしゅう縷紅るこうの花はひっそり紅い    『水甕』2019年1月号


 愛知県知多半島の農園から野菜と卵を取り寄せている。給料日直後の月一回の楽しみだ。
 荷物の中には、写真や説明書きでいっぱいの農園だよりも入っている。自然災害や害虫との闘い、あるいは共存の様子に、思わず私も一喜一憂する。
 熱意のこもった文章を読んでいると、この人は農園だよりを書きながら考え、考えながら書き、また新たに有機農業への思いを強くするのだろうと感じた。私たちも短歌作品を書きながら考え、考えながら書いていこうではないか。

(水甕 重吉知美)


行けという声、無理だよという声のうちよせてどこまでつづく藻場
『幻桃』2018年11月号
(幻桃 江口美由紀)

浅草寺の喧騒を知らぬ貌をして木製の壁の店が佇む
戸を開けて入れば句集歌集らが明るく迎えるカウンター席
俳人と歌人を兼ねる女主人ゆったりと着る割烹着は白
真後ろのテーブル席から聞こえくる礼儀正しき人らの句会
戸を開けて出れば日差しはまだ強く浅草の街の喧騒に戻る (『水甕』2018年12月号)

当ブログでも紹介した企画カフェの思い出を詠んだ。(期間限定!俳句・短歌カフェに行ってきた

(水甕 重吉知美)

誰かから誰かへわたる一隻の船を見ている半島の朝
ぺちぺちと尻を叩いて助手席へ促す草食みやまぬわたしを
海沿いのカーブはゆるくいまなにか大事なことを思い出したが  
『幻桃』2018年9月号
(幻桃 江口美由紀)

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