つぶやき
中之島歌会に参加して

塔所属の江戸雪さん主催の超結社の歌会が、月に一度大阪の中之島で行われている。2回程参加させてもらったのだが、どこの結社にも所属していない無所属の人も多く、年齢も歌歴もバラバラ、もちろん上下関係もないので皆対等に批評し合う形だ。
普通(私が思う普通)、結社の歌会では先生と呼ばれる指導者に、歌のいいところ悪いところを具体的に教えてもらえる。短歌のいい悪いは一概には言えないし、もちろん会員からはいろいろな意見が出るが、それを参考にしつつも基本的には指導者のいいと思う歌の基準が歌会のベースになるので、自分が信頼できる指導者の下で学ぶべきだろう。
短歌ムック『ねむらない樹』の中で、伊舎堂仁氏が結社について次のように述べているのが印象的だ。「(結社には)無理やりさせられるという良さもありますよね。献本されたから歌集を読むとか、歌集評を依頼されるとか。そこから豊かになっていくこともある。ネットでやっていると無理やりやらされることがないじゃないですか。ランダムなことがおこるのはむしろ結社なんだと最近は思います。」
死してなほ妻であること
「雨空」に雨は降ってない
先日書いた記事、「強いられる言葉~「あじさい」第36号より」を読んでくださった方から、ご指摘頂きました。
雨もよいの空を一羽の鳶の舞う 耳を塞ぎし言葉に屈す 荒美津子
ご指摘いただいたのは 「雨もよい」。聞きなれない言葉ですが、調べることもせず、「雨模様」と同じかな、雨が降っているのかな、などと安易に読み進めていました。
いやいや・・・・・・、「雨もよい」って、雨降っていないのですね。と言うか、「雨模様」も、雨降ってない!恥ずかしながら知りませんでした。勉強不足ですみません。。
あめ もよい 【雨催い】-もよひ 雨模様。
あめ モヨウ 【雨模様】-ヤウ 雨の降りそうな空の様子。
もよい 【催(い)】もよひ ①もよおすさま。その状態になる気配が濃いさま。「雨―」「雪―」②準備。用意。
モヨウ 【模様】-ヤウ ②ありさま。様子。 (①③省略)
ちなみに、
あま ぞら 【雨空】 曇って雨が降りそうな空。
あめ もよ に 【雨もよに】 (副)雨のふる中に。
「雨空」まで、雨降ってないとは!めっちゃ降ってそうなのに、と思うのは私だけかな。
でもって、「雨もよに」だと、雨降ってるのね……。ややこしいな。
そしてさらに、「デジタル大辞典小学館」には次のようにも書かれています。
あめ モヨウ 【雨模様】
1 雨の降りそうな空の様子。あまもよう。「雨模様の雲」
-
2 雨が降っているらしい様子。あまもよう。「山間部は雨模様らしい」
文化庁が発表した平成22年度「 」では、「外は雨模様だ」を、「雨が降りそうな様子」の意味で使う人が43.3パーセント、「小雨が降ったりやんだりしている様子」の意味で使う人が47.5パーセントという結果が出ている。
(デジタル大辞典小学館 https://dictionary.goo.ne.jp/jn/6741/meaning/m0u)
このたび、辞書を引くことの大切さを痛感いたしました。
教えてくださった方、有難うございました。
(水甕岡崎支社 木村美和)
(関連記事「強いられる言葉~「あじさい」第36号より」
http://livedoor.blogcms.jp/blog/kimuramiwa-suibaika/article/edit?id=10338417