水媒花

みんなで綴る短歌ブログ。

このブログで、共に短歌を学び、短歌で遊べたら幸せです。
宜しくお願いします。

《このブログでやりたいこと》
①ネット歌会 ~どなたでもお気軽にご参加下さい!第三回水媒花歌会は、詳細の決まり次第ブログで告知します。
②学びの共有 ~研究発表、短歌イベント参加レポート、読んだ歌集の感想など~
③交流    ~告知やちょっとした日常風景、作品など~
      寄稿受付 kimuramiwa11☆gmail.com (☆を@に変えてください)
             ※原稿料はお支払いできません。

2018年10月

このブログは、本来は結社を超えた活動をしたいという動機で始まり、結社の異なるメンバーとも運営している。だが、このテーマについては主に私の所属結社・水甕社の会員に向けて記事を書かせてほしい。

先に結論を言うが、セクハラをしてはならない。しかし、どんな行為がセクハラに当たるのかを分かっていない会員が多いのではないかと思う。だから、こういう行為はやめておけ、という私なりのアドバイスを少しずつ書いていきたい。水甕社の中では、あるいは結社外の人との間にすでにセクハラやパワハラが起きていたことだろう。だからこそ、結社の中から新しいセクハラ加害者を出さないように、新旧の会員を教育する(またはお互いに啓蒙し合う)必要があるのである。結社誌でやれよという奴もいるだろうが、そんな悠長なこと言ってられるか。

ちなみに、セクハラ加害者は年長の男性に限ったことではない。水甕は高齢女性が多く、年少の男性に知らずにセクハラしてしまうこともありうる。また、セクハラは同性間でも起こる。
もっと言えば、若い女性が年配の男性にセクハラをしてしまうことも(滅多にないだろうが)起こりうる。滅多に起こらない故に、被害に遭った男性はやはりショックを受ける。
例えば、私が先輩同人男性に「〇〇さんの〇〇〇はやっぱり〇〇〇〇ですか」と卑猥な言葉を投げかけたとする。彼は怒って怒鳴るかもしれない。この場合に怒鳴ることは決して間違いではないし、嫌なことに対して大声を出して抗議することは有効である。しかし、彼は私に怒鳴って抗議できたとしても、やはりショックを受け、後々まで悩むだろう。

更新頻度をどこまで上げられるか不明だが、なるべく短い記事を多めに書いていきたい。スマホでもケータイでもネットでブログが見られる会員は読んで欲しい。
我々が新たな加害者にならなければ、誰も被害に遭わないで済む。

(水甕社 重吉知美)

山川藍さんの歌集『いらっしゃい』を読んだ。ひとつひとつの言葉の持つ力に圧倒された。

  妻となる人と夫となる人が同じ売場にいてうざいです
  寝過ごした午後の一時に起きましたコアラのえさの時間ですがね

1首目、身も蓋もないようなことを言ってしまっているのだけど、「です」の妙な報告口調が面白い。うざいんだけど、表情には出さずにうまくやっている感じ、が出ていて共感できるし、楽しい。
2首目、「コアラのえさの時間ですがね」と言われましても(笑)、という気もするけれど、寝過ごした自分に丁寧に突っ込みを入れている感じがやっぱり笑ってしまう。おそらく、以前動物園で、コアラの食事を見るためにその時間を覚えていたのであろう律儀さもうかがえるし、昼間は基本的に寝ているコアラの様子は寝過ごした自分の様子にもつながるし、夜行性のコアラでさええさを食べるために活動している時間なのに自分は、という自虐も含まれているし、なんだかすごい。これから、寝過ごしたりコアラを見たりする度に絶対思い出してしまうと思う。

他にも好きな歌をいくつか挙げる。

  履歴書の写真がどう見ても菩薩いちど手を合わせて封筒へ
  仲間だと思うあなたとかなしみを具体的には分けあわないが
  接客をしていた時のいい声で「いいじゃないですか」とたまに言う
  わたくしはわたくしの王さいはての校舎でペンの選別をする
  誰からも怒られたくはなくて行く文房具屋のはさみコーナー
(幻桃 江口美由紀)

下記の日程で、第二回水媒花歌会を行いました。(ただいま雑談中)

9/16(日)~ 9/22(土) 参加者募集
9/23(日)~ 9/29(土) 出詠
9/30(日)~ 10/2(火) 投票
10/3(水)~ 10/7(日) 歌会(批評・意見交換)
10/8(月)~ 10/14(日) 作者名乗り・雑談
10/15(月)        掲示板クリア

歌会の流れや、ネット歌会の特色については、第一回の報告に詳しく書かれているのでご参照ください。
「水媒花ネット歌会報告」重吉知美
http://livedoor.blogcms.jp/blog/kimuramiwa-suibaika/article/edit?id=10579958

今回は13名の申し込みを頂き、詠草をお送り頂いた方は11名でした。
近くに支社や歌会の場がない方や、パソコンの操作が不安といわれる方、他結社や結社無所属の方なども、ブログの告知を見て申し込みくださり、とても嬉しく思いました。

本歌会の詠草は未発表歌扱いなので、私の歌に関する評をすこし紹介します。

  この夜を顔の消えるまでつながりあふ一滴ひとしづくの水銀

・情報がもう少し欲しい
・上の句は男女のつながりか
・〈顔の消えるまで〉
  → 個々の思いも消えるほど?
  → 強い情念を感じる
  → ムンクの『接吻』を思わせる
  → 一滴に映っていた顔が、粒の繋がることで大きくなり、見えにくくなったのでは
・〈水銀〉の意味
  → 液体状でつながっている、流動的という意味も
  → 繋がることで一粒ひとつぶが消える感じ、危険と美しさの共存
  → 一滴がどんな感じがよくわからない
・〈一滴ひとしずく〉
  → 重複は効いているのか?
  → 句跨りのリズムに躓いた
  → このようなリフレインは、初めに漢字、次に平仮名が多い、いきさつを知りたい
 
この歌は、実はネットの繋がりを意図していました。いつも繋がっている、あるいは繋がろうとするネットの世界が少し怖くなって詠みました。液晶に照らされる一人一人の顔に水銀の輝きを思いました。
しかしこれでは、上句も下句も抽象的で伝わらないですね。ネットであることが分かる言葉(具体の見える描写)があると良いのでは、という評もありました。そのほか、推敲を考えると気が遠くなりますが、たくさんの評や感想、有難く、大変勉強になりました。

ちなみに水銀ですが、昔、学校をさぼろうとして体温計をライターで炙ったら割れました
ティッシュで拭こうとしたのですが、当然吸わず、指で一滴一滴をつなげてゆき、床を滑らせて窓の外まで運びました。その輝き、感触、危険の香りが、とても魅力的に見えたことを思い出しました。
小学生の頃の話です。

(水甕岡崎支社 木村美和)




10月13日(土)13:30~
10月26日(金)13:30~
場所 芦屋市民センター
体験、見学、お気軽にお問い合わせください。

(連絡先) 加藤 nao816-m.t☆ezweb.ne.jp (☆を@に変えてください)

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「③空を見上げる」でも触れたが、作者は、見るもの聞くものを、まるで生まれて初めて体験する刺激のように受け止める。既成の概念を疑い、自身の感覚で捉え直し、言葉を与える。今ある世界は少しずつ破壊され、新しい世界が築かれてゆく。


  まれまれに綿の詰まりて生まれくる体のあるを長らく信ず (p126)

 1首で読むと、幼びた可愛らしい無知、あるいは天然少女のようでもあり、おそらくそのような部分もこの歌の一面なのであろう。(参照:重吉知美「④ブラックユーモア」http://livedoor.blogcms.jp/blog/kimuramiwa-suibaika/article/edit?id=12277050)
 しかしこの歌を、連作「闇の温度」(pp124-127)の中に読むとまた異なる様相を帯びてくる。作者は、息も詰まるような寂しさに居る。布団に足を入れれば〈闇の温度〉に触れてしまい、〈影引くことも許されなくて〉、〈動かなくなるまで蟻を泳がせ〉る。作者は〈綿の詰まりて生まれくる体〉に、自身を重ね合わせたのかもしれない。痛みを確認し、自分の中に赤い血が流れることを確認せずにはいられなくなったのかもしれない。

  我が母の腹の膨らみ日ごと増し孕み直されゐたるわたくし (p96)
  熟寝(うまい)する母を初めて見し夜明け漕ぎ出さむと乗りし方舟 (p194)
  酔ひたれば角にぶつけるこの胸の膨らみにまだ慣れ切ってない  (p132) 

  

生まれる以前、母の胎内に生を受けるところから、作者は「感じる」ことをやり直し、自身の言葉をもって生まれ直す。出生は大変な衝撃で、そのときに受ける無意識の傷、こころの傷がのこるという。(吉本隆明『詩人・評論家・作家のための言語論』pp27-29)そのような痛みを伴いながら、あえて生まれ直し、生き直す。そうすることでようやく、作者は生きている実感を得ているのかもしれない。

(あとがきより)
「私は我が身を爛れさせる痛みを、代わりの痛みとして、自分を切り裂かなければ生きてこられませんでした。(中略)私にとって短歌は、「苦しみ方を変える変圧器」のようなものです」

 

(水甕岡崎支社 木村美和)



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