水媒花

みんなで綴る短歌ブログ。

このブログで、共に短歌を学び、短歌で遊べたら幸せです。
宜しくお願いします。

《このブログでやりたいこと》
①ネット歌会 ~どなたでもお気軽にご参加下さい!第三回水媒花歌会は、詳細の決まり次第ブログで告知します。
②学びの共有 ~研究発表、短歌イベント参加レポート、読んだ歌集の感想など~
③交流    ~告知やちょっとした日常風景、作品など~
      寄稿受付 kimuramiwa11☆gmail.com (☆を@に変えてください)
             ※原稿料はお支払いできません。

2018年08月

  名古屋市美術館で開催されている「至上の印象派  ビュールレ・コレクション」に行って来た。ルノワールのイレーヌ嬢、ゴッホの自画像、ドガの踊り子、モネの睡蓮などなどどこかで目にしたことのある作品も多く、個人のコレクションとは思えない充実ぶりだ!
名古屋の暑い夏の終わりの、すがすがしい時間だった。


乾いたものばかり息づく博物館にあなたの息の湿りゐること
            (水甕芦屋   加藤直美)

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昨日は子供の歌を紹介しましたが、今日は高齢者です。
亀の甲より歳の功とはよく言ったもので、歳を重ねた方の台詞には、スカッとしたり、深い思考や温かい思いやりに、感じ入ることがよくあります。
そんなとき、それらの台詞をちょっと拝借し、歌未満で残しておきます。
いくつか紹介します。

  行きたうないどこ行つたつて洗濯物が干してあるだけここで結構
  茶碗もな着物もみんな捨てられた親もいらんか とうに捨てたか 
   いただけませんクビになってしまいます
  クビなんてなりやすかあんたの前の人クビんなつたかよう食つとつたで
   職員に「食べてくださいお芋さんが泣いていますよ」と言われて
  ほお芋が喋るんかそりや面白え泣かしてみいや見とつてやるわ 
  一晩中どこ行つとつたん雨は止みしづかに猫を諭すこゑする


(水甕岡崎支社 木村美和)


 

水甕本誌には、小学生以下の「水しぶき」欄と、中高生の「飛び魚」欄があります。
欄が作られた当初、幼稚園や小学生だったうちの子たちも興味を持ったので、とりあえず、一人だけ投稿させてみました。
子供は気まぐれですし、まあ、一人の名前でみんなで作ってもいいかな、、などと安易に考えたりもしたのでした。
ところが、子供たちから大ブーイング。
「これは僕の歌じゃない!」「これは私の歌なのに!」と、まあ、当たり前なのですが、幼稚園児とはいえ表現者であることを忘れ、読者へも不誠実なことをことをしてしまい反省しきりでした。
しばらく3人の歌を続けてゆくうちに、さらに納得。歌の作り方も、雰囲気も、拘りも、全く異なる様相でそれぞれの心を映すさまに目を見張り、子ども自身を再発見する思いでした。

また、ある日は、子供たち3人を短歌大会に応募させたことがありました。
それぞれが仕上げた作品を読み、上の子へは、多少てにをはをアドバイスしました。真ん中の子は「賞が欲しい!」と、いろいろ聞いてくるので、それに応じて「ここは具体的にしては?」などと答えたように記憶しています。下の子は、まあ、字が書けていればいいかな、程度に思い、チラリと見たのみ。
結果、下の子が選者賞を、上の子が佳作、真ん中の子は何もなく、なんともはや、かわいそうと申しますか、面目無いと申しますか……。
以来、子どもの歌には一切口出ししないことにしています。
今となっては、それが初めての応募で良かったと思います。

  大人ってつかれるのかな子育てにでも私はね大人になりたい

(水甕2018.8.水しぶき欄 木村日香理)


  何気ない学校生活すごすたび子供のままが良いと思うの

(水甕2018.9.飛び魚欄 高岡真大)


(水甕岡崎支社 木村美和




水甕岡崎支社定例歌会を行います。

9月3日(月) 13:00~
愛知県岡崎市 竜美丘会館502号室 

毎月第1月曜日に、1人2首ずつ持ち寄り、15名前後で歌会をしています。
結社内外、歌歴云々、問いません。
お気軽にご参加ください。
自作の歌2首を8月27日(月)までに、木村までお送りください。

お問い合わせ:kimuramiwa11☆gmail.com(☆を@に変えてください)木村


 木村美和さんの地域には平和園が、加藤直美さんの関西圏には葉ね文庫があるけど(記事「葉ね文庫に行ってきた」)、東京にも短歌の熱い聖地ができたぜ!
 と言っても8月18日・19日の二日間限定だが、七子さん(Twitter: @7co_ta)がダイニングバーを借りて「俳句・短歌カフェ 17・31」を開かれたのである。

(※注意 このイベントカフェは終了しています。)


 七子さんは「高村七子」名義で俳人・歌人として活動されており、歌人としては「かばん」 に所属。『赤いあかし』という同名タイトルの句集・歌集が面白い。私の友人に、短歌は詠まないけど七子さんの歌集を貸してみたらはまった、という人がいて、この人を誘って二日目の8月19日に行ってみた。

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 東京・浅草のダイニングバー「安寿」の外観。俳句・短歌カフェは、ここを会場として開かれた。

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 店内の入口付近には、短歌や俳句のフリーペーパーが陳列。

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 カウンター席には、賛同者から寄せられた俳句や短歌の本、歌誌・同人誌がずらりと並んでいた。店内の客が自由に閲覧できた。

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  私がもらっていった短歌のフリーペーパー。

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 飲み物はアイスコーヒーなどが100円(安過ぎ)、「俳句・短歌カフェ 17・31」というシャレからアイスを取り寄せての販売もしていた。アイスには、詩歌にちなんで店内メニューとしての面白い名前をつけている。
 友人は尾崎放哉の俳句にちなんだ「すばらしい乳房だ蚊が居る」という白バラのミルクアイスを、私は正岡子規の俳句にちなんだ「鐘が鳴るなり法隆寺」という福岡・朝倉市の柿のアイスを注文。柿アイスはシャーベットというよりジェラートのような味わいで、たいへん美味しかった。同行した友人によると、朝倉市は柿の名産地なのだという。

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 壁には、賛同者や来客たちによる俳句・短歌作品の短冊が張り出されていた。色紙は、俳人の佐藤文香さんによるものである。この人の句集を閲覧したが、とても面白かった(語彙力)。
 僭越ながら、私も二首の拙歌を貼らせてもらった。

ステゴザウルストリケラトプスプテラノドン少女の耳に覚えた名前(『ビーンズ』vol.4, 2017年)
そよ風にアメリカ梯梧が咲いている十月九日今日はゲバラ忌 (『水甕』2018年2月号)

 13時からは、七子さんと三名の方が句会を始められた。その背後の席で、友人と私は閲覧用の本に読みふけった。滞在時間は二時間弱だっただろうか。静かで楽しい時間を過ごせた。

 二日間の期間限定カフェだったが、準備で苦労をされたのではと感じた。ぜひ第二回をと期待してしまうが、その実施には賛同者の私たちが何らかの形で、特に資金や売上などの金銭面で協力することが必須条件になるだろう。
 七子さんと協力者の皆さんに感謝しつつ、報告終わり。

(水甕 重吉知美)

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