このエッセイは、主に水甕社の会員に向けて書いています。

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私には子どもがいない。だからと言って別に子ども嫌いではないので、子どもの話は振ってくれても構わない。
しかし、子どもの話は、相手の話の進め方によってはこっちがキレたこともあった。そうなった時の話の進み方には、決まった規則があることに気づいた。今回はその話に付き合ってもらう。

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事例:
「お子さんは?」
「いません」
「作らないの?」
「できなかったので」
「あらー、治療すればいいじゃないの」

「◯す!!!!!!(# ゜Д゜)」
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お分かりだろうか。実は「作らないの?」の時点で◯意が既にマックスに達していたのである。

お子さんやお孫さんのいる人に問おう。子どもってどうやって生まれたっけ?

誤魔化すな!何がコウノトリだ!キャベツも関係ねえ!!!

そうです、子どもを授かるには大抵の場合、セックスが必要です。つまり面と向かって「子どもを作りなさいよ」というのは意外にはしたないことなのです。
それから子どもができないことをカミングアウトさせられるのは、結構辛い。自分の体に問題がある、あるいはあるかもしれないという話題は、かなりセンシティブなはずだ。そういうのを言わせるんじゃない。
さらに「不妊治療すればいい」と言われるのは、本当にきっつい。ガン患者に治療方針について口出しすることと同じぐらい無礼だ、と言えばいいだろうか。

私の経験上、この「不妊治療の成功者」というのが厄介だった。自分たちが成功したので「あなたも治療すれば子を授かる」「治療にも踏み切らないなんて努力が足りない」とやかましいことこの上ないのである。だいたい治療費だって安くないんだろ、出してくれんのかよ。私に足りなかったのは努力以前の金だ!バカ!!

……はっ!!( ゚д゚) 話を戻さなくては。

子どものいない人などが、一人の子どもを大事にしている人に「二人目は?」と訊くのも当然いけない。セックスなどの身体やプライバシーの領域に触れるだからだ。「一人目のお子さんを作った時はどんなセックスをしたんですか?」と訊くのと同じくらい失礼である。
さらにここでも「じゃあ二人目の養育にかかるお金をおまえが出してくれるのか」という、「金を出さないくせに口は出す」問題が同時に発生する。だから黙ってろ。

ここまで辛抱強く読んだ人は、子どもを作らないと決めているカップルにも「子どもは?」と訊いてはいけないのが分かるだろう。二人はそういうセックスをしないと決めているのだし、望まない子どもが生まれた後のリスクやコストを代わりに担うのでなければ、口を出してはいけないのである。

(水甕 重吉知美)