危険極まりない街といふ通信用基地はまつさきに攻撃される 外塚喬

加藤直美さんが沖縄旅行という。沖縄:水媒花
きれいな海と基地の町、それが初日の印象だった。  
こういう感想が真っ先に出てくるあたりは、社会派に関心のある彼女らしい。

日本の領土で米軍基地を一番広く抱えているのは沖縄だが、本土にも多くの米軍基地がある。私の住む西多摩地域には、福生市中心に複数の自治体の土地を米空軍の横田基地が占めている。
今年に入ってからオスプレイが飛ぶようになった。横田基地では毎年「日米友好祭」を開き、一般人に基地の一部を公開するのだが、今年の友好祭ではオスプレイを堂々と展示していてその厚かましさに萎えた。

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(写真は横田基地の塀。写真素材 足成より。撮影者、いしだひでオ氏。)


掲出歌は角川『短歌』2018年10月号、外塚喬「敗戦国は日本」から。米軍所沢通信基地にも7月にオスプレイが確認された。その時の恐怖を詠んでいる。

所沢市民を恐怖のどん底におちいらせオスプレイの飛び立つ 同

連作の最後の一首。下句が<オスプレイ>のところで句またがりになっている。平易な言葉だけを使用した上に、ちょっと読みにくい句またがりなので、最初の一読では舌足らずの幼稚な印象を持つかもしれない。しかし、この句またがりが言いようのない不安をザワザワと掻き立て、読後感に影響を与える。

(水甕 重吉知美)