このエッセイは、主に水甕社の会員に向けて書いています。

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結社の内にも外にも、素晴らしい歌人はたくさんいる。もちろん、無所属の人たちも、専門歌人というほどでなくてもコツコツと作品を詠んでいる歌人たちだって。
そうした人たちを褒め称える際に、容姿には触れないほうがいい。だって、その人たちは素晴らしい歌人たちなのだ。見た目を褒める必要などないだろう。

歌人に限った話ではない。誰かを褒めるのに、人格や仕事ぶりなどを評価することはあるだろう。でも、見た目の話って必要ないよね?おたくの部下を評価するのに「君はピカピカの禿頭が素晴らしい」なんて言う必要あんの?

もうちょっと言うと、見た目の話は、陰口とか噂話としてならしてもいいと思う。だって、陰口って本人のいないところでするもんじゃん。
だけど、本人が見聞できちゃうところで、もっと悪いことには本人に向かって直接言っちゃうと、ハラスメント、場合によってはセクハラになるはずだ。(だからネットで書いちゃうのもダメ。)

美人歌人に対して「きれいですね」とか言っちゃうかもしれないけど、でも見た目の話をするようになると体の話になってしまいがちだ。特に、若くて健康な体を持った女性や男性を対象にすると。だから見た目の話は避けたほうがいいと思う。
こういう見た目の話は、セクシャルな放言につながる可能性がある。「おっぱい大きいですね」とか「いい体してますね」とか。こういうのはもうダメだ。「欲情しちゃいます」「エッチしたいです」は完全にアウトである。「あなたは素晴らしい人だ」と言うために、自分の性欲を表明する必要はない。

歌人を褒めたければ、作品や人格に言及する癖をつけたい。
「立ち居振る舞いが素敵で」とか「気配りの素晴らしい人」とか「話し方が上品だ」とか、見た目に触れなくても賞賛の表現はいくらでもある。

ちょっと結論を急いだ感じになったが、とにかく水甕社の諸姉諸兄は気をつけていただきたい。

(水甕社 重吉知美)