木村美和さんの地域には平和園が、加藤直美さんの関西圏には葉ね文庫があるけど(記事「葉ね文庫に行ってきた」)、東京にも短歌の熱い聖地ができたぜ!
 と言っても8月18日・19日の二日間限定だが、七子さん(Twitter: @7co_ta)がダイニングバーを借りて「俳句・短歌カフェ 17・31」を開かれたのである。

(※注意 このイベントカフェは終了しています。)


 七子さんは「高村七子」名義で俳人・歌人として活動されており、歌人としては「かばん」 に所属。『赤いあかし』という同名タイトルの句集・歌集が面白い。私の友人に、短歌は詠まないけど七子さんの歌集を貸してみたらはまった、という人がいて、この人を誘って二日目の8月19日に行ってみた。

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 東京・浅草のダイニングバー「安寿」の外観。俳句・短歌カフェは、ここを会場として開かれた。

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 店内の入口付近には、短歌や俳句のフリーペーパーが陳列。

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 カウンター席には、賛同者から寄せられた俳句や短歌の本、歌誌・同人誌がずらりと並んでいた。店内の客が自由に閲覧できた。

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  私がもらっていった短歌のフリーペーパー。

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 飲み物はアイスコーヒーなどが100円(安過ぎ)、「俳句・短歌カフェ 17・31」というシャレからアイスを取り寄せての販売もしていた。アイスには、詩歌にちなんで店内メニューとしての面白い名前をつけている。
 友人は尾崎放哉の俳句にちなんだ「すばらしい乳房だ蚊が居る」という白バラのミルクアイスを、私は正岡子規の俳句にちなんだ「鐘が鳴るなり法隆寺」という福岡・朝倉市の柿のアイスを注文。柿アイスはシャーベットというよりジェラートのような味わいで、たいへん美味しかった。同行した友人によると、朝倉市は柿の名産地なのだという。

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 壁には、賛同者や来客たちによる俳句・短歌作品の短冊が張り出されていた。色紙は、俳人の佐藤文香さんによるものである。この人の句集を閲覧したが、とても面白かった(語彙力)。
 僭越ながら、私も二首の拙歌を貼らせてもらった。

ステゴザウルストリケラトプスプテラノドン少女の耳に覚えた名前(『ビーンズ』vol.4, 2017年)
そよ風にアメリカ梯梧が咲いている十月九日今日はゲバラ忌 (『水甕』2018年2月号)

 13時からは、七子さんと三名の方が句会を始められた。その背後の席で、友人と私は閲覧用の本に読みふけった。滞在時間は二時間弱だっただろうか。静かで楽しい時間を過ごせた。

 二日間の期間限定カフェだったが、準備で苦労をされたのではと感じた。ぜひ第二回をと期待してしまうが、その実施には賛同者の私たちが何らかの形で、特に資金や売上などの金銭面で協力することが必須条件になるだろう。
 七子さんと協力者の皆さんに感謝しつつ、報告終わり。

(水甕 重吉知美)