同居人が『週刊少年ジャンプ』を買ってくるので、目を通すようになった。私が高校生だった八〇年代後半と同様、友情・努力・勝利がテーマであることは変わらないようだが、少し驚いたのは「女の子が主人公」という連載があることである。
  「約束のネバーランド」の主人公・エマは、普通の小さな少女だ。優秀な頭脳を駆使して(ある意味チートだが)勇気を奮い起こし、仲間たちと協力し合いながら、自分たちを食べようとする「鬼」に抵抗する。打ち切り作品の多い『ジャンプ』で人気を保ち続けて生き残り、単行本が10巻まで出ている看板作品だ。
 今年から読んだ限りの感想だが、主人公が女性である必然性をあまり感じなかった。エマが「少年」であっても物語に支障はないだろうし、人気はあっただろう。だが、女の子が友情・努力・勝利を実現させる物語を読んだ少年たちは、女性の成功もきちんと認められる大人になってくれるのではないだろうか。読者層の変化を指摘する意見(『少年ジャンプ』200万部割れ、『約束のネバーランド』に見る連載漫画の変化:財形新聞)もあるが、それでも『ジャンプ』がこの漫画を連載させている意義は大きい。
 女の子が成功する物語は、女の子を勇気付け、他の性の人々をも必ず勇気付ける。短歌の文化はどうだろうか。

 (水甕 重吉知美)