懇親会の食事中に行われた連歌風のゲームで、「流れ来る」の初句に7・5(二句・三句)をつけることになった私たち。席はくじ引きで決まったので、普段お話する機会がない方や初対面の方も多いなか、さっそくテーブルのみなさんとの相談が始まる。
「流れるといえば川のイメージかな?」
「葉っぱや花も流れるね」
「きれいですね~」
「魚は?」
(魚は「泳ぐ」では…?でも魚からみたら「泳ぐ」より「流れに乗る」感じの方が近いのかも…)
「あと、匂いもあるよね」
「時も流れるっていうよ」
「なるほど!」
「いっぱいあるね」
「うーん、どうしよう…」
制限時間が近づくなか、良い案が浮かばず焦りは募るばかり。そんなとき、私たちのテーブルへ運ばれてきたのは炊き込みご飯。「これだ!」と満場一致で決まったのは「流れ来るたけのこごはんの良い香り」。
結果的に季節感も出たなかなか良い句がつけられたのではないだろうか。
そして、下の句を次のテーブルに託してできた3首は次のとおり。

   いつのまにか母の齢になりましたラガービールで乾杯をする

   咲き終へしなの花畑に佇みて逢ひたき人にメールを送る

   流れ来るたけのこごはんの良い香り木の芽を添へてはい出来上り

限られた時間で、お酒の入った席で作った歌ではあるが、その後黒瀬氏の厳しくもあたたかい評をいただき、大変盛り上がった1日だった。(当初は「いつのまに」のお題だったが、「これは歌意からすると『いつのまにか』とすべきですね」とご指摘をいただき「いつのまにか」と表記した。)ちなみに、初句はすべて黒瀬氏の短歌からとったものである。
このようなゲームは初めての経験だったが、とても新鮮で楽しかった。普段短歌を作っていても、7・5だけを作ることはなかなかないし、他のテーブルにうまく繋げなければという制約があるとなかなか難しく、普段使わない筋肉を使ったような気がする。改めて定型を意識する良いきっかけになったと思う。
(幻桃 江口美由紀)